ドイツ合宿特別インタビューその1|インダストリー4.0に関心をもった理由とは?
製造現場にデジタルが入ってくるとどう変わるのか、インダストリー4.0ではその点に関心を持ちました。
JMI生産・開発マネジメントコースの海外合宿にてファシリテータを務められた
JMAコンサルティングの松田将寿さん(経営コンサルティングカンパニー 経営構造転換センター
センター長 シニア・コンサルタント)から
ドイツ視察について感じたことをお話しいただきました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)
日本の製造業がこれから取り組むべきことは何か?
中川
今日はJMAコンサルティングの松田さんにインタビューさせていただきます。
まず、松田さんの社内での立場や役割、役職について、お聞かせください。
松田
弊社は現在、センター制をとっており、私は経営構造転換センターのセンター長をしています。
当センター名は英語でいうとトランスフォーメーションとなります。
サプライチェーン・ネットワーク、各プロセス・機能、制度やルールなどを含むマネジメントなど
企業内では多岐に渡るものを整合させ効率的に設計・運用することで事業をうまく推進しています。
しかし、このようなうまく整合されたモデルのまま新しい環境への対応や大きな変化を伴う戦略の
実現を行おうとすると無理が出ることがあります。
その時に、それら環境や戦略にあった企業や事業の新しい整合されたモデル・構造へ作り変える
ことを主な領域としています。
例えば、日本の高度経済成長期時代の運営構造・制度では今の市場に対応できないなど時代に
あっていたモデルが通用しなくなってしまっていたり、M&Aなどにより、シナジーを発揮させようと
してもマネジメント運用の仕方が違うのでうまくいかなかったり、海外に展開しても各拠点で
求められる運用と本国で主導する運用に乖離が出たりなど不整合がうまれやすくなっていると
思われます。
このような事への対応は社内の目だけでは社内の既成概念や思い込み、常識、前例、社内の
人的環境への配慮などに邪魔されて変える必要は認識できてもなかなかうまくできないことが
多いと思われます。
ここを変えるご支援をしています。
中川
イノベーションとはまたちょっと違う意味合いですか。
松田
イノベーションを生み出しやすい運用に変えていくなどもこの領域の1つです。
イノベーションは、事業が変わる・変える必要がでるなどトランスフォーメーションの
きっかけになることもありますが。
中川
そうするとやはり、ドイツのインダストリー4.0にも、構造転換の部分でご興味があったわけですか。
松田
そうです。
日本の製造現場、先進的な会社ではかなり変革が進んだと思いますが、多くの会社ではこの20年間
あまり変わっていないように見えます。
JITが浸透したりと運用そのものは洗練されてきているとは思いますが。
そのような製造現場にデジタルが入ってくるとどう変わるのか、インダストリー4.0ではその点に
関心を持ちました。
製造業の場合、ファブレスという形をとらなければ、生産拠点や生産設備に投下している資金は
非常に大きく、この部分で大きな革新が起こるとなると、企業の対応の仕方や運営の仕方も
変わらざるを得ないと考えます。
だから、大きな関心を持ったのです。