キヤノンインタビューその7|経営者としての判断軸を養うために必要な要素とは?
どういう判断でやるのか、その人独自の考え方ができなければいけないと思います。
JMI生産・開発マネジメントコースの派遣責任者である
キヤノンの大森正樹さん(生産技術本部 生産技術研究所所長、2006年度当コース修了生)を
訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)
経営者としての判断軸を養うために必要な要素とは?
中川
話は変わりますが、貴社からは20年近く、毎年継続して当コースにご派遣していただいております。
JMIを継続して選んでいただいている理由を、ぜひお聞きしたいのですが。
大森
受講した人がみんな、いいって言うのですよ。(笑)
この研修は大変だと、先ほど言いましたよね。
社内にも異業種交流研修というのはあるのですが、これだけ長期にわたって、もうお腹いっぱいになるほどやらせてもらえるというのは、このコースだけですからね。
それにMOTとかMBAでやるようなところを、さわり的にもやってくれるじゃないですか。
一般的な経営者視点をつけるための知識とか、さっき言ったように違ったものに触れる、人的ネットワークができる。
それがいいと私は思います。
中川
去年受講した方は、どのようなこと言っておられましたか。
大森
彼もよかったと言っていましたよ。
でも、少し違うことも言っていましたね。
彼は、共同テーマ研究をしっかりとしたいので、もう少しインフラ、ネットワーク部分を整備してほしいと。
彼は共同テーマ研究をするにあたって、クラウド上のファイル保存システムやネット会議のシステムなどを自分たちで探してセッティングしていましたが、共同研究をもう少し効率よくするために、何か段取りのお膳立てみたいなところをJMAさんにしてほしいというようなことを言っていました。
中川
受講者の皆様の熱心さについていけるよう、我々も改善していきたいと思います。
貴重なご意見ありがとうございます。
インフラの部分をあげていただきましたが、その他に我々の研修を、より高いレベル、貴社にとって200点、300点にするため、我々に足りないところがあればぜひ教えていただけますでしょうか。
大森
先ほどのものは作業レベル的なことなのですけれど、内容的なことを言えば、判断基準の醸成に参考になるようなことが、もう少し講義の中に含まれていってもいいかなというふうに思いますね。
考え方が単発的な気づきではなく、経営的な視点の判断基準を養うところに視点を置いた講義があってもいいと思います。
多分、今までも講義の中でそれは取り扱われているとは思うのですが、そこにスポットを置いた講演なりがあるといいですね。
というのは、結果としては全ては人であるという話なのですが、人といってもいろいろあります。
どういう判断でやるのか、その人独自の考え方ができなければいけないと思います。
そういうところをやらせてもらえる演習ですとか、あるいは経験を積んだトップの人にそういう視点で話をしてもらうとか、そういったことがあるといいと思うのです。
中川
いったん会社が危機になったときに、それを乗り切り、その判断をした方に来ていただいて、なぜ、そういう判断をしたかを話していただくのですね。
大森
そうそう。
中川
ありがとうございます。
作業レベルのお話も含め、今後の課題にさせていただきます。
大森
とは言いましたが、今のMIコースでもそれの参考になっていると思います。