ドイツ合宿特別インタビューその3|デジタルネイティブの可能性とは?

インダストリー4.0の推進においても、デジタル・ネイティブ世代の人材と一緒に
研究開発したり、テスト運用、実際に使ってみることなどが進められ、一歩先んじた開発が
可能になっているのではないかと思われました。


JMI生産・開発マネジメントコースの海外合宿にてファシリテータを務められた
JMAコンサルティングの松田将寿さん(経営コンサルティングカンパニー 経営構造転換センター
センター長 シニア・コンサルタント)から
ドイツ視察について感じたことをお話しいただきました。

日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)

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デジタルネイティブの可能性とは?

中川
人が大事ということが1番見えてきたわけですね。

松田
私はドイツに行く前は、デジタル化の推進というと「もう自動化で人はいらない」、「すべてロボットで作りましょう」みたいな世界をイメージしていました。
それなのに、現実は人ありきでした。
そこが非常に印象的でしたね。

人をどうやってサポートするのかについて真剣に考えています。
アメリカや日本とは違った路線でこのあとも進化していくのかもしれません。

中川
先ほどの話に出てきた難民受け入れの点を受けて、私が印象に残っている事ですが、フラウンホーファー研究所が大学生の頭脳労働者を若いときから産業界に引き込んでいることです。

・難民受け入れによるブルーカラー流入
・フラウンホーファー研究所によるホワイトカラー流入

これらが同時に進み、両方の人材が産業界に潤沢に流入している、という点はドイツの強みに思います。

松田
ホワイトカラーの高技術の部分で学生および大学卒の活用と、ブルーカラー・技能の部分で国家資格を早期に取得して技能者として訓練をつんでいる若者や流入してきた移民が上手く組み合わさって、労働人口モデルが作られている点は確かに驚異です。

また、製造業だけでなく、われわれの生活はデジタルと切っても切り離せない関係になっています。
デジタルを生かすも殺すも、基本はデジタルと慣れ親しんできた若者たちの発想力を、企業がどこまで活かせるかにかかってくるのではないでしょうか。

インダストリー4.0の推進においても、デジタル・ネイティブ世代の人材と一緒に研究開発したり、テスト運用、実際に使ってみることなどが進められ、一歩先んじた開発が可能になっているのではないかと思われました。

つまり、企業側もITの使い方やITに対するセンシビリティーそのものを若者から吸収しようとしているのではないかということです。

実際、フラウンホーファーはそのことを踏まえ、アーヘン大学の若者たちを学生のままで企業の研究に組み込み、企業サイドも研修生を受け入れて即戦力として活用していましたね。

日本でも大学改革などで大学と企業との共同研究などがずいぶん進んできたとは思いますが、ドイツのような形にまではまだなっていないと思えますので、これも脅威に思いました。

最新号の日経ビジネスに、「デジタル音痴の社長が会社を滅ぼす」という題の記事がありましたが、そういう危惧を感じてしまいます。

中川
私はデジタル・ネイティブという言葉を松田さんから初めて教えてもらいました。

JMAの職員で小さい子供のいる人から聞いたのですが、最近の子供は画面と言えばタッチパネルが当たり前で、テレビの画面も勘違いして指でスクロールしようとするそうです。

松田
はい。デジタル世代では、ネットに親しみ、オンデマンド、フリーなどを当たり前として権威などへのこだわりが薄いなどの特徴があるなどいわれていますね。

実際、デジタルで物事の解決を考える、例えば、アプリを考えるなどわれわれアナログ世代とは情報処理や問題解決などに違いがでてくるのではないかと思っています。

中川
そういう子らが20年後、成人してどんなものを生み出すかは、確かに面白くもあり、怖い気もします。

松田
片方ではあまりブランドにこだわらない世代も出てきているといわれています。それにより、消費に対する考え方が変わると思われます。

ドイツはブランド重視でやっており、日本もそれに倣おうとするところがありますが、消費の動向はどちらへ動くのか、ちょっと注意して見ていかないといけませんね。

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