ホンダエンジニアリングインタビューその1 | 自社の抱える悩みとは?
もっと高みというか、視野を広げて
いろいろな方と接してみようと思って参加したことを覚えています。
2013年度JMI生産・開発マネジメントコースの修了生である、ホンダエンジニアリングの原田仁さん(生産技術部 電装生技BL)を訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略 役職はインタビュー当時)
自社の抱える悩みとは?
(中川)
本日はホンダエンジニアリングの原田さんにお話を伺います。まず、JMI受講のきっかけについて伺わせてください。
(原田)
最初のきっかけは会社からの紹介です。直属の上司からJMIについて話があり、
他流試合のような研修だがやってみる気はあるか、という話をされました。
弊社には生産・開発マネジメントコースのOBが数名いますが、
その人たちは「JMIは非常にためになる、今後の仕事の参考になる」と
口をそろえて言っていました。
このような環境もあり、良い機会だったので是非参加します、と答えました。
(中川)
上司の方から打診があったときには、どのような気持ちになられましたか。
(原田)
自社から選抜されたということで、頑張ろうというやる気が起こったことは覚えています。
あと、どういうことをやるのだろうか、自分でいいのかなと少し不安に思う気分が半々だったという記憶があります。
社内研修は弊社にもたくさんあるのですが、外の方々と交流する機会はほとんどなくて、そういった意味では不安はありましたが、今振り返るととてもいい刺激になりましたね。
(中川)
今のことに付随して、会社はどのようなことを原田さんに期待されていたと思われますか。
(原田)
ホンダは自主自立をモットーに独走的な技術を編み出してきている会社で、
外との交流が少ないという風土もあるように感じます。
それで上司から言われたのは、
「これからグローバル化が進んでいく中で、
いろいろな人といろいろなコミュニケーションを取って、
いろいろな『知』を覚えてくるのは悪くなかろう。
それによって判断力や決断力が上がっていくのではないか。
今やっている技術を一つ飛び越えた形のマクロ視点で、
いろいろな風に当たって判断力を上げていきなさい」
ということでした。
私もそれに準じて、もっと高みというか、視野を広げて
いろいろな方と接してみようと思って参加したことを覚えています。
(中川)
原田さんの中でもホンダは「たこつぼ」になってしまっているという危機感がありましたか。
(原田)
そうですね。
自動車業界のいろいろな競合と日々開発競争を進めていく中で、
どうしても自分たちの技術を守らねばならないという意識があったので、
自分たちの情報をいかに保護しながら開発につなげていくかということがスタンスとしてありました。
なので、どうしても外の空気に触れる機会、外の人たちと真摯に議論する場が少なかったというのが実際のところです。
学会に行かせていただく機会は何回かありました。
ですが、学会の中での議論は実務とはやはり少し離れていて、
細かく深く議論ができたかというと、そんなことはなかった気がします。
(中川)
確かに、学会では実務ベースの議論は難しいかもしれませんね。
(原田)
そういう面では、JMIでは異業種の方と1年間一緒にやらせていただいて、
すごくたくさんいろいろな話をしたなというのが率直な印象です。