ホンダエンジニアリングインタビューその4 | リーダーとして想いをどのように伝えるのか?
例えばマップをつくるとか、自分たちの今のポジショニングをきちんと共有した上で、
技術がどういう方向にいくといいのだろうという話をよくします。
2013年度JMI生産・開発マネジメントコースの修了生である、ホンダエンジニアリングの原田仁さん(生産技術部 電装生技BL)を訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略 役職はインタビュー当時)
リーダーとして想いをどのように伝えるのか?
(中川)
異業種の方とベクトルを合わせるという経験を一度なさったことは、
自社の方々とベクトルを合わせる際にも参考になりましたか。
(原田)
話の切り口が少し増えました。
技術一辺倒ではなくて、「世の中ではこんなことをやってたよ」など違う事例を挙げると、
意外と素直に聞いてくれたり。
最終的に良い自動車、良いものをつくるという想いは同じなのですが・・・。
どうしてもみんなプライドが高いので、面と向かって技術に対して真っ向勝負すると反発が結構多いのですが、
違う比喩を使ったり、違う業種ではこんなことを言っていたという話をすると、
素直に受け入れてくれることが多くなった気がします。
異業種の人と話をしたことで自分の引き出しが増えて、すごくプラスになっていると思います。
(中川)
自社の方々のベクトルを合わせる以外のところで、
MIで学んだことを生かして自社で取り組まれていることは何かありますか。
(原田)
一番重要なのは納得性です。ロジカル性というと聞こえはすごく良いのですが、納得性ですよね。
「こうやるんだ」という想いと「それはなぜなのか」という話が表裏一体で出てくるとか、
客観的な視点で「世の中こうだよ」という話を幾つかボリュームを持って話せるといいと思います。
ですから、実践としては、各教授から教わったまとめ方やものの考え方を自分の想いに
プラスをして説明するようにしています。
そうすると、これは手前みそですが、客観視点が上がって、納得性も上がっているのではないかと思っています。
例えばマップをつくるとか、自分たちの今のポジショニングをきちんと共有した上で、
技術がどういう方向にいくといいのだろうという話をよくします。
(中川)
原田さんの中で一番思い入れのある、覚えていらっしゃる講師の方はどなたですか。
(原田)
藤本先生のお話はすごくよく覚えています。
あと、中部大学の崎川先生のお話もとても面白かったです。
データベースを使って客観視点で「世の中はこうだから、こうしていかないといけない」
という考え方を教わったことで、外部ソースのデータを結構取り入れるようになりました。
世の中はこんなふうに動いていて、自分たちはこうで、ギャップは何かという話を、すごくよくするようになりましたね。
(中川)
先ほどおっしゃった「ありたき姿」を客観的に見るということですね。
(原田)
それは一つありますね。現状は自分たちとのギャップだけを見ているのですが、
それだけでいいのかと考えるようになりましたね。