LIXILインタビューその5|日本と海外の考え方で最大の差とは?

JMI生産・開発マネジメントコースの修了者である、LIXIL 理事の安藤さんを訪問しました。
日本能率協会の松澤がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)

日本と海外の考え方で最大の差とは?

lixil05

松澤
藤本先生も同じことをおっしゃっていて、高度1万メートルとゼロメートルだそうです。
米国はプラットフォームの活用など仕組み作りがうまいのに対し、日本はITの活用等苦手で地を泥臭く這うような戦い方をするという意味です。

安藤
確かに日本人はITに弱いですよね。これに対し、欧米の人はすごく上手に活用します。
うまく活用すると判断のスピードが全く異なってくるのです。

例えば、売り上げや工場の生産高を見て次にどんな行動に出るかという点でも、米国ならボタン1つでリアルタイムにすべてのデータが出て、すぐにそれを見てアクションに移ります。

ところが、日本ではデータを大卒の人が必死になって作っているところがあったりします。本来は判断すべき立場の人がデータを作る作業をしているのですから、ホワイトカラーの生産性が低くなるのは当たり前なのです。

松澤
作業の方に必死になってしまいますよね。

安藤
大事なことは判断です。
アクションを起こさなければならないのに、その前段階の分析などに思い切り時間をかけてしまっているのでアクションが遅くなります。
こんなものはITを活用すればすぐ終わるはずです。また、これまでは、工場での設備改善活動はハード中心でした。

こればこれで重要なことですが、IOT(+AI)ではセンサーを活用し、どこを動かすべきか自動的に最適化しながら生産をする仕組みへと変わってきています。こういう変化への素早い対応も必要です。

一方で日本では非常に多くのSKUを持ったまま市場への供給をしていきますが海外では売れるものだけを効率的に作ることに注力できますが、日本の生産技術者は本当に大変です。
コントロールする数が10と100では大違いです。日本の技術者は1人で100をコントロールするために必死になっていますからね。10に絞った方がよほど楽です。

技術だけでなく、こういう部分も日本は遅れているから、今のような差がついているのではないでしょうか。
完成度の高さは別にして思想の点で劣っていることに、気が付いていないことが多いです。だから、実際に見ることは非常に大事です。

合わせて違う業界を見るのもとてもいいことです。続けてやっていくべきでしょうね。

〜5/6 page〜

お問い合せはこちらから

教育・研修に関するご相談は、
お気軽にお問合せください。

03-3434-1410受付時間 平日9:00 - 17:00
お問合せ

TOPへ