NECインタビューその5|品質から考える日本のものづくりのありかたとは?
製造装置の性能によって品質が決まってしまうものは、
残念ながらもう差が出ないのではないですか。
JMI生産・開発マネジメントコースの派遣責任者である
日本電気株式会社の市原直人さん(サプライチェーン統括ユニット 主席品質主幹、当コース第6期生、共同テーマ研究コメンテータ)を訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)
品質から考える日本のものづくりのありかたとは?
中川
本年度のJMIの講義の中で、中国と日本の賃金差が最近、大分狭まって
きたという話がありました。
その先生は、日本企業にとってまたとない好機だと捉えていらっしゃい
ましたが、その一方で中国製品もだんだんと品質を向上させています。
今日の発表でも日本製品は品質が高く、それは武器になるというものが
ありましたが、中国製品の方が品質が良くなるというような未来も
考えなければならなくなるのでしょうか。
市原
品質のとらえ方で変わってくると思います。
海外生産でも日本製と共通のキーパーツを使っている場合や、製造装置の性能によって品質が決まってしまうものは、残念ながらもう差が出ないのではないですか。
そうすると、設備の新しい方が良いということになります。
ですが、設備をそのまま設備として使うだけではなく、プラス・アルファの部分で多分、差が出るでしょうね。
その辺りが、マインドの話や企業の理念と結びついていくはずです。
これから日本企業が外国に差をつけるとしたら、プラス・アルファの部分を考える必要があるのではないですか。
中川
プラス・アルファの部分が、日本のものづくりをどうするか、という共同テーマ研究のテーマに結びつくかもしれませんね。
市原
そうですね。