NECインタビューその7|より良い共同テーマ研究を行うためのたった1つの秘訣は?
様々な部署を1つにまとめ、ある目的へ向かって動き出そうとするとき、
皆のベクトルを合わせる役割が必要になります。
JMI生産・開発マネジメントコースの派遣責任者である
日本電気株式会社の市原直人さん(サプライチェーン統括ユニット 主席品質主幹、当コース第6期生、共同テーマ研究コメンテータ)を訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)
より良い共同テーマ研究を行うためのたった1つの秘訣は?
中川
共同テーマ研究は異業種の方が集ま
って議論しますから、テーマ選定か
らして難しいとよくいわれます。
どのような部分に気を配れば、より
良い共同テーマ研究ができるのでし
ょうか。
市原
JMIには、各社から自分の意見を持
ち、口が立つ人が集まってきている
と思います。
私たちのときはそうでした(笑)。
全員がこれをやって良かったという
ところに持っていかないといけませ
んから、協調性をどう発揮させるか
がポイントでした。
中川
協調性を求めるあまり、ご自身だけ腹落ちしない、という事態が起こってしまいそうです。
市原
それは面白くない時間になっていまいますね。全く腹落ちしないのですから。
ですが、自身が腹落ちすることだけ追い求めても、他の人からの協力を得る事はできません。
それは会社でも同じでしょう。
様々な部署を1つにまとめ、ある目的へ向かって動き出そうとするとき、皆のベクトルを合わせる役割が必要になります。
「結局、こういうことだよね」といって、ベクトルを合わせるには、それなりのスキルが必要です。
自分が思っていることを説明するのは、とても大変なことなのです。
自身で咀嚼し直して話さないと、何をいっているのかよく分からないことがありますから。
そのようなときは事の背景から説明しなければ伝わりませんが、実際にそのような機会を得る事はなかなかないものです。
みんなが納得していなかったら、「俺はこう思う」というだけで、多分、いつまで経っても話が通じませんから、集まったメンバーがみんな腹落ちするように、話を持っていく過程がとても重要なところだと感じています。
中川
ものづくりという言葉1つをとっても各社で全然定義が違うということは、感想でよくお聞きします。
市原
ものづくりの範囲が生産・製造のみの会社と、開発も含めてものづくりと考えている会社では、違ってきて当たり前でしょうね。
ですので、人に説明して納得してもらうことが、本当に大事になってきます。