島津製作所インタビュー

「生産・開発マネジメントコース」には、毎年、大手メーカーの幹部にご参加いただいています。株式会社島津製作所 常務執行役員 CTO 西本尚弘様には、2011年度にご受講いただきました。
当時の研修を振り返って、そこで得た学びや、研修後に変わったことをお話しいただきました。対談のホストは日本能率協会の小関が努めました。

「組織マネジメント」を学ぶために参加

島津製作所 西本尚弘様

小関
西本様には、2011年に「生産・開発マネジメントコース」へご参加いただきました。現在のお立場を教えていただけますか?

西本
現在は、島津製作所のCTOを務めており、全社の技術開発のトップを任されており、コーポレートR&D部門を統括しています。

小関
「生産・開発マネジメントコース」を受講することになったきっかけを教えていただけますか? 当時のお立場や課題も伺えればと思います。

西本
2010年の秋に、部長に昇進しました。それまで研究所での勤務が長かったのですが、ある研究ユニットを任されることになりました。その時に、どうやって業務を進めていくべきか、悩みました。
もちろん、会社の方針に沿った研究開発を進めていたのですが、「世界の最先端で通用する製品を開発するためには、どのように研究組織をマネジメントしていけば良いのか?」の答えが見えない状態でした。
その頃に、このコースのOBでもある役員から「生産・開発マネジメントコースに参加してみないか?」とお話をいただきました。それが参加のきっかけです。

小関
ちょうど、部長になられて、マネジメント業務を担当するときにご参加いただいたわけですね。

西本
そうですね。まさにそういうタイミングで参加しました。

研修で学んだこと全てが業務に活かせる

小関
参加したことで、変化したことはありましたでしょうか?

西本
研修後には、それまでより大きな視点で物事を考えられるようになりました。どのようなことを考えて、方針を決定していくべきか。方針決定において、考えるべき領域・範囲が広がったと捉えています。
それ以外にも、様々な内容を学ぶことができました。講義もそうですし、海外視察の際にも、多くの学びがありました。
研修の最後には、それまでに学んだことを総動員してレポートにまとめましたが、その作業自体も勉強になりました。こういったこと全てをその後の業務に活かすことができました。

小関
印象に残っていることは?

西本
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(照度ゼロの暗闇空間で、聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って日常生活のさまざまなシーンを体験すること)」が印象に残っています。
視覚以外の感覚が研ぎ澄まされることを感じた経験でした。普段は体験できないことですので、非常に新鮮で、コミュニケーションを考える上で、意識的な広がりを持つことを考えるきっかけになりました。
それから、海外研修のインド視察も刺激的でした。日本とは全く違う社会の様子を見ることができました。インドは成長著しい活気の反面、過酷な環境で生活をされている方もいます。大きな衝撃を受けた一方で忘れかけていたワクワク感もありました。

「事業には賞味期限がある」

小関
講師からの講義で学びになったことはありましたでしょうか?

西本
研修を受けてから、だいぶ時間が経っていますが、藤本先生がされた、ものづくりの講義を今でも覚えています。
これは別の講師の方のお話だったと思いますが、「事業には賞味期限がある」というお話も講義でありました。その言葉は、今も心の中に残っています。
重要なことは事業体の存続であって、事業そのものではない。事業に固執するよりは、将来性のある新しい事業を立ち上げるということが大事であって、全体としての企業の存続を優先して考えるというお話でした。
それは、今でも社内で共有しています。この研修の後に、私が新事業を担当することになったこともあり、大きな影響を受けました。

小関
今、お話いただいたように、「高い視座を持つ」「視野を広げる」「経営的視点を持つ」ということが、このコースの目的の一つになります。そのことをお聞きできて、大変嬉しいです。
チームマネジメントや他部署との関係作りで役立ったことはありましたでしょうか?

西本
当時は研究所の所属でしたので、研究開発という観点で物事を考えていましたが、同時に「どのように経営的視点を持つべきか?」という点での課題感も持つようになりました。
事業判断という意味では、いわゆる研究開発の上流側の視点が中心になっていましたが、商品をリリースするまで、あるいは、リリース後のサービスのことまで考えた時に、何が最適なのかということを考えるようになりました。
その視点を持つようになり、チームや他部門と連携するときに注意するようにもなりました。お客様のことを考えた時、あるいはサプライチェーン全体を考えた時、何が最適かという点は、現在でも大切にしています。そういった考え方は、社員にも浸透できたと考えています。

小関
このコースでは、参加者は、開発系よりも生産系の参加者の方が多いのですが、やりにくい点はなかったでしょうか?

西本
やりにくさというよりは、むしろ、教えてもらえることがたくさんありました。担当業務もそうですが、業種も弊社とは違う方が多く参加されていました。医薬や食品、自動車などの業界の方からは、弊社とは違う「ものづくり」の視点を学ぶことができました。

小関
多くのことを吸収していただき、大変嬉しく思います。現在も比率としては生産系の方が多くなっています。開発の方は2割位になります。

西本
研究開発として、どのように考えて、商品開発をしていくかという考え方については、むしろ、こちらから他業種の方に発信することになったかと思います。そういう意味では、双方向の情報のやりとりがあって、とても良かったと思います。

得られるものが非常に大きい研修

小関
この研修への参加を検討している企業様にメッセージをいただけますでしょうか?

西本
検討されている方には「ぜひ参加してみてください」とお伝えしたいです。
この研修の何が良いかと言えば、普段の業務から離れて議論できるということです。しかも、非常にクオリティの高い議論ができます。
参加者同士のディスカッションもそうですし、超一流の講師の先生方の講義からもたくさんの学びがあります。
また、海外視察の場がありますので、視野を広げることができます。海外だけでなく、国内での見学視察も良かったです。
もちろん、普段の業務にプラスされる研修活動になりますので、参加者の負担は大きいです。しかし、それ以上のものが得られる研修です。ご参加をお勧めします。

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