東海理化インタビューその2 | 異業種だからこそ、自由な議論ができました
「生産・開発マネジメントコース」は、ものづくりを担う将来の役員・幹部を育成する研修です。毎年、多くのものづくりに従事する幹部候補生にご参加いただいています。2022年度に受講いただいた株式会社 東海理化、長尾様は技術開発センターで3部門の統括業務に携わられています。研修を終えた感想をお聞きしました。日本能率協会、谷澤がインタビューしました。(以下敬称略、役職当時)
異業種だからこそ、自由な議論ができました
(JMA)
研修参加者との交流はいかがでしたか?
(長尾)
非常に話しやすく、議論もしやすかったですね。どうしても同じ業界の方だと視野や話題が限定されてしまうことが多いのですが、全く違う、異業種の方が多く、違った視点から捉えることができますし、自身の視野を広げることができました。
業界が違うとはいえ、基本的なことでは参考になる部分が多々ありました。例えば、部下の人財育成です。参加者の方は、管理職に就かれているので、「部下をどのように育成するのか」「部下とどのように接するのか」という悩みを抱えていました。同じ課題を共有をして、様々な話をしました。
研修自体は大変でしたが、とても楽しかったです。共通課題について取り組んでいたときに「会社の課題はなんだろうか」と、それぞれの会社の内情も聞きながら、みんなで考えました。
(JMA)
チームでおこなう「共同テーマ研究」はいかがでしたか?
(長尾)
非常に勉強になりました。同じような課題を持っている方もいましたし、全く違う課題を持っている方もいました。普段の業務で、そういうことを聞く機会はありませんので、大変参考になりました。全員で真剣に話を聞き、議論し、最終的に発表にまとめました。
(JMA)
研修後も参加者同士のやりとりはありますか?
(長尾)
いまだに月一のペースで交流させていただいています。お互いの企業を訪問したり、意見交換をしたり、議論をしています。非常に良い関係を続けさせていただいており、これも本研修の大きな財産であると思っています。
ドイツ視察で業界構造の違いを学ぶ
(JMA)
研修では、ドイツの企業にも視察に行きましたが、いかがでしたか?
(長尾)
日本とは違うヨーロッパの自動車産業の業界構造を知ることができました。先ほどもお話ししたように、私は利益率について課題を持っていたので、そのあたりのことを視察先でも伺いました。その時に、日本とドイツでは、自動車業界の構造が全く違うということを知ることができました。
視察させていただいた自動車業界の役員の方に「なぜ利益率が高いのか」を伺ったところ、研究開発への取り組みについて、教えていただきました。ヨーロッパでは、ティア1(自動車メーカーに部品や製品を納入する一次サプライヤー)が、研究開発に力を入れていて、自動車メーカーよりも専門性が高い技術を持っているとのことでした。
一方、日本の場合、自動車メーカーの方が研究開発に力を入れていて、その技術を元にティア1に生産を依頼することが多いです。そうすると、立場が違いますから、利益を得るのは難しくなります。専門性をどちらが持っているかの構造が違うわけです。この業界構造の違いは、非常に勉強になりました。
研修で学んだことを実践しています
(長尾)
問題意識を持って、自発的に行動することが増えたと思います。
例えば、お客様への訪問です。確実に訪問回数が増えました。また、訪問の質も変わりました。現場を知り、お客様目線での提案をするために、「現場を見せてほしい」と、もう一歩踏み込む行動へ変わりました。
そうした行動の結果、新たな発注をいただくこともできました。研修内容を元に考え、実践したことで、お客様の利益を出せるものが提供できると分かったことは非常に大きいと考えています。お客様の課題を我々の力で解決することができれば、お客様の利益になり、私達の利益に繋がっていきます。
この研修によって、これまで課題に思っていたことへの解決方法がわかり、これからの活動の指針となりました。非常に良い研修だったと思っています。
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