NECインタビューその1|製品品質を上げるために必要なマインドとは?
品質のNECといってもらうためには、どれだけのことをやらなければならないのか
JMI生産・開発マネジメントコースの派遣責任者である
日本電気株式会社の市原直人さん(サプライチェーン統括ユニット 主席品質主幹、当コース第6期生、共同テーマ研究コメンテータ)を訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)
製品品質を上げるために必要なマインドとは?
中川
本日はNECの市原さんからお話を
うかがいます。
まず、市原さんが現在社内で取り
組まれている業務についてお聞か
せください。
市原
私は今、NECグループ全体の品質
向上を進める立場にいます。
製品の品質は顧客に提供する価値
の中で最も重要な要素です。
社員1人ひとりがもっと品質向上へ
の意識を高め、品質を文化にしてい
こうという思いがなければ、高品質
を保つことはできないでしょう。
ですので、それをグループ全体で実現していくための活動を始めており、私がその推進役を果たしています。
中川
その業務で課題として感じていることはありますか。
市原
電機業界というのは、水平分業がかなり進んでいます。
ですので、それぞれの設計者やプロダクトを作る人間が、提供するシステムや、その開発に関連する全ての人を掌握しているわけではありません。
そうしますと、ビジネスパートナーである他社と様々な連携をしながら進めていくときに、自分がどこまで責任を持てばいいのか、自分がどこまで中身を見なければいけないのか、判断が難しくなる人も出てきます。
そのため、「NECはプロなのだから、全部ちゃんと見てくれている」と思っている顧客に対し、弊社の設計者が「え、そこまで」みたいなことをいうことが、ときどき起きてしまいます。
私はそういったケースに対して疑問を投げかけています。
プロならば1つの仕事に対し、もっときちんと対応しなければなりません。
それを一部のマネージャーだけではなく、社員1人ひとりが新人のころからきちんと持つようにしよう、というわけで、品質マインドを高める活動を進めています。
中川
グローバルな活動をしている企業の方からは、外部調達の部分でそのような話をよく聞きます。
やはり外部交渉でそのような問題が生じてしまうことが多いですか。
市原
工場内だけでなく、いわゆるSIソリューションや顧客に近いところでシステムを構築する際にもありますね。
弊社は色々な業態を持っていますので、品質のNECといってもらうためには、どれだけのことをやらなければならないのか、どれほどのスキルや技術を持っていなければいけないのか、もう1度考えて足元を固める必要があります。
今、進めているのは、そのような活動です。