ソニーインタビューその6|選抜研修が必要な2つの理由とは?
1番恩恵を受けたと思うのは、こういった選抜研修が必要だと身を持って感じたことですね。
JMI生産・開発マネジメントコースの派遣責任者である
ソニーの盛田陽一さん(生産技術部門長、2008年度当コース修了生)を訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)
選抜研修が必要な2つの理由とは?
中川
盛田さんも実際に受講していろいろな刺激を受け、
目線が高くなった部分があると思います。
受講前と受講後で、ご自身で変わったと感じた部分
をお聞かせください。
盛田
目線の変化は大分ありましたね。
それまでずっと会社の中にいたので、他社の人のこ
とは知らないわけです。
だから、視野が広がり自分のことを冷静に判断する
うえでも、いい機会になったと考えています。
1番恩恵を受けたと思うのは、こういった選抜研修が必要だと身を持って感じたことですね。
JMIで学んだことを参考に、私の部署が主催者になって、社内で異業種交流のようなことを始めました。
ソニーにはいろいろな業種の仕事がありますからね。
たとえばテレビを設計している人は、半導体のことをあまり知りません。
半導体の担当者はセット側の苦労についてよく知りません。
それではいけないだろうという思いを感じていたのです。
ソニーグループのスローガンだった「One Sony」を、ものづくりの分野でもやって行こうと思い、異業種交流によるものづくり人材の育成を始めたのが5年前です。
今はそれが根付いてきていて、日々の業務とは直接 関係ない工場を見学したり、通常では接点がない部署の人と知り合いになったりしています。
異業種交流をした人の中から事業所長に昇進する人も生まれました。
異業種間の話し合いもずいぶん、スムーズにできるようになってきました。
だから、こういうことを始めるきっかけを与えてくれたJMIの研修には、とても感謝しているところです。
中川
貴社で行っている社内選抜研修について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
盛田
今は、ものづくりに関係する職場から3階層で研修を進めています。
階層により研修の人数は1コースが10~20人ほどで、年に5、6回集まります。
講師役は社内の役員やOBに依頼して、ご自身の体験談や特定のテーマについてどう考えているのかを話してもらっています。
社内には自分の体験談を後進に伝えたい人がいっぱいいますから(笑)。
生産技術のメンバーだけではなく、商品設計を担当している方を入れることもあります。
また期を越えた交流の場を設けたりもしています。
中川
社内研修ということで、貴社に必要な部分に特化した、かゆいところに手が届くプログラムになっていそうですね。
盛田
企画内容は自分たちで考えていますから、こんな研修をしてほしいとか、こういうことを経験してみたいとか、受講者の要望を聞いてそれにできるだけ応えるようにしています。
他社と異業種交流をしたいという要望はすでに出ていたので、一昨年から他社とのディスカッションを組み込みました。
応えてくれる企業を見つけるのに苦労しましたけどね。
去年、うちからJMIの研修に参加した社員は、その前年に社内の研修に参加してもらい、そのあと社外での他流試合という事でJMIに参加してもらいました。