ソニーインタビューその7|どのようにして自身の視野を広げていくのか?
今のものはすぐに変わってしまいますからね。昔の話は自分の中で知らない世界でした。
JMI生産・開発マネジメントコースの派遣責任者である
ソニーの盛田陽一さん(生産技術部門長、2008年度当コース修了生)を訪問しました。
日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)
どのようにして自身の視野を広げていくのか?
中川
盛田さんが受講していた当時の思い出や忘れられない講師の
先生はいらっしゃいますか。
盛田
まず、古典の守屋洋先生です。
話の中身が非常に面白かったですね。
私は理系の人間ですから、古典に触れる機会は全くありませ
んでしたが、いいことをいっているなとは感じました(笑)。
「論語や孫子にこんな話があるよ」と教えていただき、それが
ビジネスマンにも簡単に分かるような本になっているとも聞い
たので、研修後に何冊か読みましたね。
次に国立科学博物館の鈴木一義先生も心に残っています。
講義のあと、博物館も見学しましたが、からくり時計に日本古来のさまざまな工夫がなされていることを知り、とても勉強になり、感動しました。
また、京都の老舗のお香メーカー松栄堂の畑さんのお話しでは、何代にもわたって京都の伝統を守り続けていくという観点からのものづくり講義も強く印象に残っています。
中川
盛田さんの中では、歴史といいますか、昔の話が印象に残っているわけですね。
盛田
今のものはすぐに変わってしまいますからね。
昔の話は自分の中で知らない世界でした。
業界のことは展示会や能率協会の大会に行けば、いろいろな話を聞けますが、昔のことはあえて知ろうとしないと分かりませんから、JMIの研修がなかったら、今も知らないままだったでしょうね。
中川
そういう意味では強制的にそのような場に参加しないと、なかなか踏み込めないのかもしれませんね。
盛田
あと印象に残った方は、佐々淳行さんの危機管理の話です。
(内閣安全保障室長として)三島事件や浅間山荘事件の最前線に立っていた人ですから、非常に良い話だと思いました。
佐々さんはもともと大好きで、結構本を読んでいたこともあり、特に強く感銘を受けました。